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電力株は、相場全体(特に日経平均株価)との関係から、強気・弱気の判断がしやすい銘柄だと思います。
簡単にまとめると、以下のとおりです。
<電力株強気>
・ 日経平均株価が上昇した場合、電力株も日経平均株価と同様に上昇する。
・ 日経平均株価が下落しても、「ディフェンシブストック」として堅調に推移する。
<電力株弱気>
・ 日経平均株価が上昇しても、物色の圏外に置かれる。
・ 日経平均株価が下落した場合、電力株もつられて下落する。
11月上旬は、まさに「電力株弱気」の局面の値動きでしたが、ここ1週間ほどは「電力株強気」の局面に当てはまるようになりました。
過剰に売られた反動もあるので、しばらくこの傾向は続くかなと思います。いや、希望します。
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電力株にとって、これまでのネガティブインパクトは、原発事故と電力自由化の流れでしょう。
今回は電力自由化の流れと電力株について、九州電力株を例にとって分析しました。
まず、これまでの電力自由化の流れについて、まとめました。
<これまでの電力自由化の流れ>
1995年 電力会社に卸電力を供給する発電事業者(IPP)の参入が可能に、また大型ビル群など特定の地点を対象とした小売供給が特定電気事業者に認められた。
2000年 2,000kW以上で受電する大需要家に対して、特定規模電気事業者(PPS)による小売が認められる。
2003年 電源調達の多様化を図るため、有限責任中間法人日本卸電力取引所が設立。
2004年 2000年に定められた基準を500kW以上に引き下げ。
2005年 2004年に定められた基準を50kW以上に引き下げ。
2005年 日本卸電力取引所の市場が開設。
この中で、一番大きなインパクトは、2000年に、2,000kW以上で受電する大需要家に対して、特定規模電気事業者(PPS)による小売が認められたことでしょう。
このため、2000年以降、九州電力の発受電電力量は以下のようになっています。
(単位 百万KW)
発受電電力量 79,590(2000年)→96,109(2008年)
他社受電電力量 10,388(2000年)→17,205(2008年)
電力株も、2000年に大きく売られており、例えば、九州電力株では、PBR0.83倍(その後はPBR1.0倍程度の株価を推移)まで売り込まれています。
注目すべきは、2000年以降、他社受電電力量が増加し続けているにもかかわらず、一定の収益を維持し続け、株価もPBR1.0倍程度を維持し続けていることです。
つまり、九州電力株は、大きなネガティブ材料が出た時は、PBR0.8倍程度まで売り込まれるが、その後は、PBR1.0倍まで緩やかに戻していく傾向があるということです。
以上を分析すると、今の九州電力株価は非常にお買い得ではないかと個人的には思います。
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電力は、火力発電、水力発電、原子力発電のミックスで発電しているので、単純に化石燃料を使うよりも電力を使う方がCO2の排出量が減るのでしょう。
日本は火力発電以外の方法で、3分の2程度賄っており、水力発電や原子力発電はほとんどCO2を排出しませんからね。
人間は、一度便利で豊かな生活水準を経験してしまうと、なかなかその水準を落とすことはできません。
ということは、今後は、化石燃料から電気へとエネルギー需要がシフトして行くことが想定できます。
技術革新により節電効果も高まっていくと思いますが、化石燃料から電気へのシフトほどCO2削減効果は期待できませんからね。
と考えると、温暖化対策というのも、あながち電力株のマイナス材料とは言えないかもしれませんね。
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